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事例紹介

【住友ゴム工業様】革新的な「タイヤ」開発ストーリーをビジネスメディアで発信し続ける理由

【住友ゴム工業様】革新的な「タイヤ」開発ストーリーをビジネスメディアで発信し続ける理由【住友ゴム工業様】革新的な「タイヤ」開発ストーリーをビジネスメディアで発信し続ける理由
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 世界で初めて空気入りタイヤを発明したDUNLOP(ダンロップ)ブランドを持つことで知られ、さまざまな「世界初」「日本初」の製品を生み出してきた住友ゴム工業様。2024年10月には、これまでのタイヤの常識を覆す新技術「アクティブトレッド」を組み込んだ次世代オールシーズンタイヤ「シンクロウェザー(SYNCHRO WEATHER)」を発売し、大きな話題を呼んでいます。

同商品のマーケティング活動では、イメージキャラクターにMLBロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手を起用したほか、『週刊東洋経済』の巻頭タイアップ「Business ASPECT」および「東洋経済オンライン」でのウェブ転載で記事広告を活用されています。カーメディアだけでなくビジネスメディアを、中でも小社を活用されている狙いや成果について、同社広報部部長の平野敦嗣様に伺いました。


住友ゴム工業
広報部長
平野 敦嗣 様

ゲームチェンジャーとなる「魔法のタイヤ」を生んだ革新的な技術

――2024年10月に発売された次世代オールシーズンタイヤ「シンクロウェザー(SYNCHRO WEATHER)」は、新技術「アクティブトレッド」が組み込まれていると聞きました。どのような技術なのでしょうか。

 トレッドとは、タイヤが路面に接する部分のことです。「アクティブトレッド」という名前のとおり、路面状況に合わせてトレッドのゴム性能がアクティブに変化する技術です。晴天時のドライな状態から、急に雨が降って路面がウェットになっても、たとえ凍結状態に変わったとしても、路面をしっかりとグリップします。ゴムの分子構造に着目し、化学的な結合状態を変えたことで実現しました。

――ゴムのあり方を変えたことで、まったく新しいタイヤを生み出したということでしょうか。

 そういうことになります。『週刊東洋経済』に出稿した記事広告でも、弊社代表取締役社長の山本(悟氏)が「魔法のタイヤ」と表現していますが、タイヤの概念を変える発明だと弊社では捉えています。

タイヤ業界では「夏タイヤ」「冬タイヤ」と呼んでいますが、冬の雪道や凍結した路面を夏の気温や路面状況に適した夏タイヤで走るのは、スリップなどの危険が伴います。従って雪道や凍結路面に適した性能を持つ冬(スタッドレス)タイヤに替えるというのが従来の常識でした。でも、「アクティブトレッド」の技術を活用すれば、ドライ・ウェット・雪・氷とあらゆる路面にシンクロしますので、年間を通じて1種類のタイヤだけでよくなります。どのシーズンも安全な走行ができるだけでなく、コストメリットもご提供できますので、自動車用タイヤのゲームチェンジャーになりうる技術だと考えています。

それだけに、この新技術をタイヤに実装するのは簡単ではありませんでした。技術コンセプトとして「アクティブトレッド」を最初に発表したのは17年の東京モーターショー(現・ジャパンモビリティショー)でしたので、「シンクロウェザー」として発売するまでに7年かかっています。何しろまったくの新しい技術なので、性能の評価方法から模索し、狙っている性能が出せるのか、量産は可能なのかを一つひとつ検証していきました。開発者は17年当初「正直、自信はなかった」と言っています。

全社を動かした大谷翔平選手のイメージキャラクター起用

――「シンクロウェザー」は、イメージキャラクターに大谷翔平選手を起用したことでも話題になりました。大谷選手を起用した理由は何だったのでしょうか。

 「シンクロウェザー」は、これまでのタイヤ業界になかった夏も冬も使える「二刀流」のタイヤです。このコンセプトが大谷選手とぴったりマッチしたので、公式に発表したのは2024年7月でしたが、かなり早い段階からオファーをしていました。この「二刀流」のコンセプトや当社の「タイヤ業界にゲームチェンジを起こす」というチャレンジ姿勢に大谷選手も共感いただけたことで、契約交渉もスムーズに話が進んだという経緯があります。

――大谷選手のイメージキャラクター起用は、宣伝プロモーションの戦略でどのように生きているのでしょうか。

 革新的な製品の場合、それまでにないものなので、そのコンセプトがエンドユーザーに伝わりにくいという課題がつきまといます。しかし、「二刀流」というわかりやすいコンセプトと、大谷選手というビッグネームの起用によって、伝わりにくさのハードルがかなり下がったと思います。「シンクロウェザー」のCMでは、「このタイヤ、何刀流だ。」というメッセージを展開しました。

 エンドユーザーだけでなく社内への影響もかなり大きなものがありました。技術が先行すると販売のほうが追いつけないというのもよくあることですが、大谷選手の起用と「二刀流」のコンセプトによって、製造現場も含め、全社におけるこのタイヤへの意気込みに火がつきました

――製造現場にも、というのは興味深いです。どのように変わったのでしょうか。

 「シンクロウェザー」は、「アクティブトレッド」の技術を活用した特殊なゴムを使っていますので、製造工程も従来のものとは違っています。また仕上げ検査にも特別なものを用意していまして、一定以上のスキルを認証された人材しか検査できないんです。大谷選手の起用を発表した段階で、その工程は福島県の白河工場にしかありませんでした。

 大谷選手は東北のスーパースターですから、発表された時点で白河工場は本当に盛り上がって、「みんなで頑張ろう」と士気が上がりました。しかも、限られた人材しか入れない検査工程の真ん前に、大谷選手のポスターを貼ってあるんです。「つねに大谷選手が見ていると思ってタイヤを検査しよう」ということです。とくに会社としてポスターの掲示を奨励しているわけではないので、「二刀流」のコンセプトと大谷選手の起用を決めたことが、部門を問わず全社が一丸となって取り組めるきっかけになりました。

ビジネスストーリーを経営層に伝える媒体として東洋経済を選定

――「シンクロウェザー」に関しては、『週刊東洋経済』の巻頭タイアップ「Business ASPECT」で記事広告を発信されています。カーメディアだけでなく、ビジネスメディアを活用した狙いはどこにあったのでしょうか。

 タイヤの性能を伝えるという点では、試走会を開催し、自動車メディアやYouTuberなどのインフルエンサーに参加いただいています。一方で、それだけでは性能を十分に伝えきれない部分がありますし、一般生活者の多くは車本体に比べタイヤへの興味・関心が薄いのが実情です。「シンクロウェザー」について伝えるだけでなく、ダンロップおよび住友ゴムのブランディングをする必要性を感じていました

 そうした観点で考えたとき、「CASE」「MaaS」といったキーワードに象徴されるように、100年に1度といわれる変革期を迎えている自動車業界の潮流の中で、「走る」「曲がる」「止まる」といった車の基本性能に大きく関わるタイヤのゲームチェンジを狙っている弊社の取り組みをビジネスストーリーとして広く伝えたいと考えました。

――数あるビジネスメディアの中から、小社を選んだ理由を教えてください。

 私自身が読者としてさまざまなビジネスメディアに接する中で、東洋経済さんはそうしたビジネスストーリーをしっかりと語っているのが特徴だと思っていました。加えて魅力的だったのが読者層です。とくに、定期購読している経営層やビジネスパーソンは、ご自身のビジネスに対する何らかのヒントを求めていると思うので、7年をかけた「アクティブトレッド」の開発ストーリーは興味を持っていただけるのではないかと期待しました。

――記事広告は、『週刊東洋経済』の巻頭タイアップ「Business ASPECT」のほか、「東洋経済オンライン」にもウェブ転載されています。反応はいかがでしたか。

 『週刊東洋経済』は、とりわけ経営トップに読まれることを期待していました。社長の山本がインタビューを受けましたが、年末年始の合併号に掲載いただいたことで年始の賀詞交歓会でも話題に上ったと聞いています。社内でも、タイヤ以外の事業部からの反響が大きかったほか、定年退職した社員OBから読後メールが寄せられるなど、思った以上に広く届いた感触があります。

びっくりしたのは、「東洋経済オンライン」でのウェブ転載です。分析レポートの緻密さには驚かされました。ページビュー数はもちろん、どこが読まれてどこが読み飛ばされているかがわかるヒートマップなど、ユーザーの動きが事細かにわかるデータを出してくれました


 

緻密な分析をベースにしたPDCAでブランディングをサポート

――具体的には、どんなデータが印象的でしたか?

 ウェブの記事は最後まで読まれないことが多いと思っていましたが、意外と最後まで読まれていることがわかったのは大きな収穫でした。記事広告の後半は、技術的な話が展開されていたので、難解だと受け止められて離脱するユーザーも多いのではないかと懸念していたんです。しかし、多くのユーザーがしっかり読み込んでくれていることがわかって、記事の質が高いだけでなく、良質なユーザーが集まっていることを実感しました

実は、前年度に出稿したときは別のビジネスメディアにも出稿したんです。タイヤでビジネス誌に記事広告を出すのは弊社にとっても大きなチャレンジだったので、保険をかける意味合いもありました。

しかし、東洋経済は誌面への反響が大きかっただけでなく、ウェブに転載された際の分析の緻密さが決定的に違いましたね。緻密な分析がベースにあるので、サムネイルのビジュアルやコピーを小まめに変えるなど、ユーザーの流入を促すPDCAサイクルを高速かつ的確に回しているのも非常にありがたかったです。そうしたサポートを受けられる安心感もあって、2回目の出稿は東洋経済のみとし、1回目よりもウェブを重視するようになりました。

――ウェブにアーカイブとして残っていることで感じる効果などはありますか。

 やはり、読み応えのある記事体裁で、弊社の伝えたいメッセージが残っているのは大きいと感じています。というのは、大谷選手のイメージキャラクター起用を発表したときなど、テレビを含めたあらゆるメディアが取材してくれたのですが、「アクティブトレッド」「シンクロウェザー」といったキーワードで検索してもそれらの記事はしばらくたつと上位でヒットしなくなるんです。その点、「東洋経済オンライン」の記事広告は長く上位でヒットし続けますので、情報を得たいユーザーにしっかりリーチできていると感じます。

――今後の展開と、小社に期待することをお聞かせください。

 2025年1月に欧州・北米・オセアニア地域における四輪タイヤのDUNLOP(ダンロップ)商標権を取得するなど、グローバル展開を加速しています。27年には、欧州向けにアクティブトレッド技術を搭載したオールシーズンタイヤを発売する予定です。また、タイヤ自体をセンサーとして活用し、空気圧の低下や脱輪予兆などを検知する「センシングコア(SENSING CORE)」技術にも、今後さらに注力していきます。

 そうしたさまざまなチャレンジを、ビジネス界にどんどん発信し、弊社のブランド価値を高めていきたいと思っています。営業と制作のご担当者がワンチームとなって連携し、弊社の取り組みを深く理解したうえで、ビジュアルの見せ方やタイトルなどいろいろな切り口で提案してくれる東洋経済さんには、今後も大いに期待しています。

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