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事例紹介

動画とテキスト記事のハイブリッド型コンテンツで、リアリティとロジックを効果的に訴求

動画とテキスト記事のハイブリッド型コンテンツで、リアリティとロジックを効果的に訴求動画とテキスト記事のハイブリッド型コンテンツで、リアリティとロジックを効果的に訴求
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DNP様は、デジタル技術を基盤に、地域DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進しています。新たな産業創出などの社会課題解決や、地域の魅力向上などの取り組みを啓発するため、東洋経済では動画と記事広告を組み合わせたハイブリッド型コンテンツを制作しました。動画とテキストの特性をどう生かしたのか、制作の狙いやこだわりのポイントを、動画を担当したディレクターのBと、テキストの記事広告を担当したCに聞きました。

「仮想自治体」を通じて地域DXへの関心を高めるという難題を、動画で解決

――今回のDNP様の記事広告は、『元ラグビー日本代表・廣瀬俊朗が訪れた「ある村」』というタイトルです。「ある村」という謎めいた仮想自治体が舞台と興味をひく要素がたくさんありますが、DNP様の訴求ポイントはどのようなものだったのでしょうか。

B:DNP様は、印刷から広がった事業を通じ、全国のさまざまな企業・団体と接点をお持ちです。地域特有の社会課題解決と、そこにしかない魅力の発信に「印刷と情報」の強みを活かそうと、各地域の企業・団体に伴走して地域DXを推進されています。

取り組みの1つが、三重県の5町 (多気町・大台町・明和町・度会町・紀北町)が連携する仮想自治体「美村(びそん)」による「三重広域DXプラットフォーム」の支援です。共通のデジタルシステムを活用し、住民に健康で便利な暮らしを、観光客にはワクワクする体験を提供する仕組みで、QRコード決済が可能なデジタル地域通貨「美村PAY」(利用できるのは多気町・大台町・明和町・度会町の4町)を導入しているほか、地域の魅力を発信する共通地域ポータルサイトの構築も支援しています。


制作ディレクターB

この「美村」の事例を通じて、地域DXの本質とその重要性を広くビジネスパーソンに伝えたいというのがDNP様の訴求ポイントでした。DNP様の地域DXの取り組みは、政府が打ち出している「デジタル田園都市国家構想」にも基づいていますので、パートナーとなりうる全国のビジネスパーソンにメッセージを届けたいという思いもお持ちでした。


――今回、動画とテキストの記事を組み合わせたコンテンツとなっています。東洋経済の記事広告はテキストのものが多いですが、動画を組み合わせた狙いは何だったのでしょうか。

B:実は東洋経済は、動画コンテンツを積極的に発信しています。「東洋経済オンライン」と『会社四季報』はそれぞれYouTubeチャンネルを持ち積極的にコンテンツ配信を行なっています。広告制作においても、クライアントのニーズにマッチした動画のご提案をする機会が増えています。

そのような流れの中で、今回は動画制作のご相談をいただきました。「5つの町が連携する仮想自治体」と書いてもなかなかイメージしにくいですが、動画ならばその土地の風景などをストレートに届けることができますよね。「美村」は、2021年に多気町で開業した年間約350万人が来場する複合リゾート施設「VISON(ヴィソン)」を最大限活かすブランド戦略をとっていることもあり、動画でその魅力をしっかりと伝えて、地域DXへの関心を高めることにつなげる狙いがありました。


「VISON(ヴィソン)」の外観

動画はカジュアルに、テキストは骨太なテーマをロジカルに

――動画とテキストの記事で、それぞれ狙いは変えたのでしょうか。

B:動画は、「美村」の魅力を伝えることで、地域DXで目指す姿のイメージを膨らませる狙いがありました。今回の動画と記事広告では、元ラグビー日本代表で、現在スポーツや食、リーダーシップ育成などのプロジェクトを主催されている廣瀬俊朗氏を、DNP様からの打診でご出演いただきました。
前半は廣瀬氏が「美村」を巡る旅番組のような雰囲気になっています。これは視聴者があまり構えずに気軽に見始められるようにしたいという狙いからです。旅番組といってもいろいろありますので、DNP様にはご要望に近いテイストのテレビ番組や動画を複数ピックアップしていただき、事前に制作スタッフで見てイメージを共有しました。

C:私は「東洋経済オンライン」に掲載する記事広告を担当しました。Bさんがおっしゃったように、動画はカジュアルな見せ方が中心でしたが、テキストの記事広告は「東洋経済オンライン」のメイン読者であるビジネスパーソンが関心を持ち理解しやすい内容と、ロジカルな構成にしました。なぜ地域DXが必要なのか、地域DXでDNP様は何を解決しようとしているのかといった内容です。なかでも、暮らしに欠かせない要素である医療という側面に焦点を当てました。
 

担当制作ディレクターC

「美村」では、病院が少ない地域でも住民が健康を保てる仕組みを整えるため、医療アクセスや医療の効率化、データ活用による予防医療の拡充を目標に掲げています。
そこで、「美村」に何度も通い課題に向き合ってきたDNPモビリティ事業部新事業開発部長の椎名隆之氏、三重県で医療MaaSの社会実装で中心的な役割を担い、医療情報のプラットフォームを提供する企業を経営している医師の小川智也氏と、廣瀬氏による鼎談を行いました。廣瀬氏は選手時代の体調管理の経験からヘルスケアへの関心が高く、充実した内容となりました。

――動画とテキスト記事の連携については、どのような配慮をしたのでしょうか。

B:テキストの記事広告は、通常、タイトルの下にメインビジュアルとして写真を入れています。今回はその位置に動画を埋め込み、記事広告のページにアクセスすると動画が流れる仕掛けにしています。まず動画を見ていただき、そのあとにテキストの記事をお読みいただく設計です。


記事広告の冒頭の画面キャプチャ
 
C:基本的には動画を見ていただいてテキスト本文に入る設計になっていますので、テキスト内では動画で紹介した内容にはほぼ触れず、「美村」の説明も最小限にして本題に入っています。DNP様の地域DXにかける思いの強さと、「美村PAY」などの具体的な取り組みを最短距離で伝えられるように留意しました。

技術力と入念な下準備で、トラブルの影響を最小限に

――動画の制作についてお聞きします。撮影は何名体制で臨んだのでしょうか。

B:東洋経済のスタッフは動画班、記事班含めて計9名でした。内訳は協力していただいた動画制作会社から4名、ディレクター2名、営業担当1名、記事班のライターとスチールのカメラマンが各1名でした。

テキストの記事広告の場合、営業担当、ディレクター、カメラマン、ライターの4名体制が基本なので倍以上ですが、動画の場合はこれでもギリギリだというのが撮影を終えての実感です。動画のカメラは2台体制で、音声スタッフもアサインしました。東洋経済の社員であるディレクター2名と営業担当の計3名は、常に撮影に張り付いていました。ロケハンも含め撮影に費やせるのは2日間だけで、廣瀬氏がナビゲーターを務める関係上、追加撮影は難しかったため、事前の準備は入念に行いました。

――具体的には、どのような準備をしたのですか?

B:とにかく取りこぼしがないように、シナリオと絵コンテ、香盤表(出演者の出番や役割を細かく記したスケジュール表)の作成に力を注ぎました。

 今回、動画に出演いただいたたのは、地域の方など計10名。みなさん、それぞれお仕事をされていますので、2日間ずっとスケジュールを空けていただくわけにはいきません。5つの町で構成されている「美村」内の3カ所で撮影するため、移動時間が1時間程度かかるところもあります。最短時間で撮影できるように、絵コンテの準備は必須でしたし、香盤表は関係者全員の動きを盛り込んで非常に細かく作成しました。

 その際に留意したのは、できるだけ具体的なイメージを描くことです。過去の動画撮影の経験を踏まえて「こういう撮影だとこのくらい時間がかかる」といったことから、移動する道の渋滞予測も調べたうえでロケバス会社に都度確認をとり、可能な範囲でバッファも確保しました。

――実際の撮影はどうでしたか? 大変だった点など教えてください。

B:なんとか撮影はできたのですが、初日がものすごい大雨で苦労しました。天気予報は事前に細かくチェックしていたので、大雨が降ることは想定し、出演者には透明の傘を、スタッフにはカッパと長靴、カメラにはレインカバーを用意していましたが、想定外だったのは音です。雨音をマイクが拾ってしまうほどの激しい降りだったので、出演者の声を拾うのが大変でした。また、雨が強すぎてカメラが動かなくなるトラブルが発生し、撮影が止まってしまう時間帯もありました。

音に関しては、音声スタッフの努力と、編集時にBGMをつなぐなどの調整をしたことで、違和感のない仕上がりになりました。高い技術力を持つ動画制作会社とチームを組んだことで、トラブルの影響を最小限に抑えられたと思います。

また、同時に複数の箇所で撮影を行いましたが、東洋経済社員の3名を、それぞれの撮影場所に配置し、指揮系統を守ったことで、多少のトラブルが起きても対処できたのは大きかったですね。事前に入念な打ち合わせをしたり、当日も随時連絡を取り合ったりと、事前の情報共有と密なコミュニケーションが成功の鍵でした。

異なる切り口と幅広い表現で、多様なターゲットへリーチ

――今回のDNP様の記事広告において、動画はイメージを、テキストの記事ではしっかりとしたロジックを展開したわけですが、改めてこの組み合わせのメリットはどういったところにあると考えますか?

C:今回のDNP様の記事広告のように、動画とテキスト記事の役割や訴求内容を定めておくことで、それぞれの効果をより高められるのではないかと思います。ビジュアルなど、感覚的に捉える要素は動画のほうが向いていますし、リアリティを出すのにも最適です。一方、テキストは、動画では伝えきれない専門性の高い内容をロジカルに整理できます。両方を同時に伝えることで、立体的な理解を読者に促すことが可能です。

たとえば採用目的の場合、オフィス内の雰囲気や経営者が話している様子を動画にすることで、より大きなインパクトや強いメッセージを届けることができます。著名人をアサインした対談企画やインタビュー企画の場合も、動画を添えることで読者の関心を引きつけることができるのではないでしょうか。

B:表現の幅が広がりますので、クライアントが訴求したい内容を今まで以上に反映できるのはメリットだと思います。今回のDNP様のように、異なる切り口からメッセージを伝えることで、より多様なターゲットにリーチすることも可能になります。

その意味で、東洋経済の広告制作チームは、テキストも動画も両方できるのが強みだと自負しています。訴求内容に合わせて「これは動画のほうが効果的」「この部分は記事でより深く表現したほうが」といったご提案ができるからです。

――より幅広くクライアントの課題解決に貢献することが期待できそうです。そのためにどんな取り組みを進めていくのか、良質な広告コンテンツを制作するにあたって必要だと考えていることは何か、ぜひお聞かせください。

Cさん:動画のあり方という点では、今回のようなロケやインタビューだけでなく、アニメーションやCGといったバリエーションはもっと広げられるのではないかと考えています。それを可能にするためにも、ディレクター同士でコンテンツの分析や学び合いをさらに深めて、チームの能力底上げをしていきたいですね。そうすることで、良質な記事広告を制作するのに欠かせないクライアントのコミュニケーションも、より深めていきます。

B:動画というと、どうしてもインパクトや“映え”が意識されがちです。それも大事ですが、視聴者にとって役に立つものに仕上げることが大切だと思いますし、そこにこだわることが「東洋経済が作る動画」の良さと特徴だと思います。アンテナを多方面に張りつつ、新たな動画メニューの拡充にも取り組んで、「東洋経済は動画が強い」と言われるようになりたいと思っています。