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記事広告は費用対効果がよい!?
GAXマーケティング佐藤岳さんにデジタル広告の「間接効果」とは何か聞いてみた

記事広告は費用対効果がよい!?<br>GAXマーケティング佐藤岳さんにデジタル広告の「間接効果」とは何か聞いてみた記事広告は費用対効果がよい!?<br>GAXマーケティング佐藤岳さんにデジタル広告の「間接効果」とは何か聞いてみた
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 デジタルマーケティングは今やビジネスの成功に不可欠となっています。しかし、低コストのプラットフォームへの出稿を増やせばそれだけ成果を上げることができ売り上げが増える、というほど簡単ではなくなっています。ディスプレー広告と検索広告、メディアへの記事広告にそれぞれ最適な予算配分を行い、最大の効果を得るにはどうすればよいかを考える必要があります。
そこで重要になるのがコンバージョンに貢献する「直接効果」と「間接効果」の把握です。
今回は「東洋経済オンライン」を活用して成果を上げているBtoBマーケティングのプロフェッショナル、GAXマーケティングの佐藤岳さんにお話を伺いました。

デジタル時代の記事広告と広告プラットフォームの使い分け方とは?

――GAXマーケティングの事業内容について教えてください。

 BtoBマーケティングのコンサルティングやアドバイザリー、運用の代行を行っています。私は前職で株式会社ブイキューブに所属し、マーケティング本部長として新規事業であるBtoBマーケティング支援サービスを立ち上げました。その後、事業をそのまま譲り受ける形で、GAXマーケティングを設立しました。

――デジタルマーケティングでは一般的に、GoogleやYouTubeといったプラットフォームはコンバージョン、東洋経済オンラインのようなメディア媒体は認知向上やブランディングといった使い分けをすることが多いですが、GAXマーケティングでは両者をどう使い分けていますか。

 使い分けの仕方を考える前提として、まずデジタル時代の購買行動について確認しましょう。Googleが2011年に発表したZMOTという概念があります。これは購買プロセスにおいてユーザーが何らかの課題を解決するための手段として、商品やサービスについて情報収集や調査をする瞬間のことを指しています。
もともとマーケティングにはP&Gが提唱した“First Moment of Truth” “Second Moment of Truth”という概念があり、前者は店舗の陳列棚を見て消費者が購入するかどうかを決定する瞬間、後者は購入後、実際に使ってみてリピートするかどうかを決める瞬間を指します。
どちらもマーケティング施策を行ううえで非常に重要なポイントですが、デジタル時代における購買プロセスにはファースト、セカンドの前にゼロ番目の“Moment of Truth”があるとGoogleは主張しました。これがZMOT(Zero Moment of Truth)です。
 
 端的に言うと、テレビCMなどで何らかの課題が顕在化するとすぐにオンラインで情報収集するのが一般的な消費行動になっており、そこで得た情報が商品の選定や購入に大きく影響している、というわけです。

――ネットの普及でお客様の購買プロセスに変化が生じたのですね。

 これはBtoBのビジネスでも同様です。ハーバード・ビジネス・レビューに掲載された「ソリューション営業は終わった」という2012年の論文は、2000人のエグゼクティブを対象にした調査に基づき、購買プロセスの6割をユーザー自身で進んでいることを明らかにしました。
つまり顧客はベンダーにコンタクトを取る前から自分たちで課題を認識し、判断を下すための情報を収集している。当社ではこの前提に基づいてメディアの使い分けを考えています。
課題が顕在化し、認知するきっかけとなる刺激があって、ZMOTはスタートします。その刺激づくりとして、東洋経済オンラインなどのメディアでの記事広告は非常に有効です。一方、顧客が課題を解決するために導入を検討する過程でのコミュニケーションとしてはプラットフォームへの広告が有効で、この使い分けが大切だと思います。

コンバージョンに貢献する「間接効果」を把握し、最適な予算配分を実現

――通常、メディアを使ってコンバージョンを狙うと単価が高くなりがちですが、GAXマーケティングでは直接コンバージョンではない「間接効果」を計測し予算配分に役立てていると伺いました。

 コンバージョン獲得に直接貢献した広告やコンテンツを直接効果といいます。しかし実際には、皆さんコンバージョンへ到達する前にいろいろなサイトや情報を調べたうえで、「この製品がよさそうだから資料請求しよう、購入しよう」といった行動を取っているのではないでしょうか。
 このような、コンバージョンするまでの過程で接触したメディアやコンテンツの貢献を「間接効果」といいます。この点を明らかにすると、広告コミュニケーションの予算配分の最適化を実現できるようになります。間接効果の把握に必要なデータは、広告測定ツールで収集できます。
 さらにコンバージョンの獲得だけではなく、獲得した先の見込み客が本当に案件化したのか、受注につながったのかどうかまで当社では見ています。すると、コンバージョンの獲得効率はあまり高くなくても受注に貢献している広告やコンテンツがわかってきます。

 あるウェブ媒体で、私自身が広告主の立場で80本の記事広告を出稿し、ディスプレー広告や検索広告と比べてみたところ、かなりリーズナブルであることがわかりました。
 ディスプレー広告と検索広告、記事広告の直接効果、間接効果をそれぞれ比較すると、最も低コストでリード獲得できたのはGoogle検索広告で直接効果も間接効果もバランスよく取れました。
一方、記事広告は間接効果の獲得で圧倒的に強いという特長があります。記事広告の直接効果と間接効果を合計すると、Google検索広告と大きく変わらないことがわかっています。獲得単価はGoogle検索広告の2倍以上になりますが、ディスプレー広告と比べるとかなり割安でした。
 
 この傾向は当社が支援しているお客様でも共通しています。記事広告の直接効果と間接効果を合わせた合計のコンバージョン率で見ると、運用型広告とあまり変わらないパフォーマンスが出ているのです。記事広告は直接効果だけで見ると単価は高くなりますが、間接的な効果まで見ると費用対効果がいいといえるでしょう。

 

広告主が価値を訴求したい読者を確保しているのが「東洋経済オンライン」の強み

――GAXマーケティングがディレクションを担当し「東洋経済オンライン」に掲載したお客様の記事広告では、本文中であまりサービス内容に触れない代わりに、PCレイアウトの右カラムに40本もの関連記事へのリンクとサムネイル画像を並べました。あまり見ない形式ですが、どんな狙いがあったのでしょうか。

 インターネットのニュースサイトの読者は、そのメディアが取り上げているテーマやトピックに関心があって来訪します。記事広告も読者の閲読体験を損なわないよう、編集記事と同様の表現で掲載することが大切です。
 記事内容は、お客様のサービスを利用して成功した事例をテーマとし、利用の経緯、サービスの選定ポイントと理由、そして成功要因で構成しました。読者が知りたい情報を網羅していることが重要だからで、結果も複数本出稿した中で「サービスの選定ポイントと理由」が充実している記事が最も効果がありました。
 
 右カラムの記事リンクは広告っぽい印象を与えず、編集記事と同じような体験をしてもらうことを意図しています。そして読み終わったときに記事に関連する情報が並んでいることで、読者を「別の記事も読んでみよう」という気持ちにさせることを狙っています。
この右側カラムの記事リンクは、制作段階ではUIの観点から議論がありました。しかし結果を見てみると、クリック率は平均の10倍、滞在時間も平均の4倍になりました。

――動画プラットフォームや生成AIの登場など、ユーザーを取り巻くデジタル環境も大きく変わっています。その中で広告媒体としてメディアを活用する利点について教えてください。

 各メディアが扱っているトピックに興味があって来訪している多数の読者に対し、自分たちが伝えたい価値を伝えられるのが広告主から見たメディアの利点です。また運用型広告でメディアと同等のPVを集めるのは大変ですし、動画プラットフォームでも自社チャンネルを育成して集客するには手間暇コストが非常にかかります。そこはテクノロジーが変化しても、あまり変わらないところでしょう。
 「東洋経済オンライン」は日本ABC協会の調査でビジネス媒体のなかで上位に位置し、ビジネスパーソンに支持されています。われわれが記事広告を出稿したのも、リーチしたい読者層がしっかり確保されているのがポイントでした。広告主で、とくに企業に勤めるビジネスパーソンや意思決定者にリーチしたいとお考えの方は、「東洋経済オンライン」への記事広告の出稿を検討されてもよいのではないかと思います。


編集後記
マーケティングの知識を背景にし、現場でのさまざまな経験を踏まえ、数字と実績を基にして説明する佐藤様のお話は大変納得感がありました。広告主様だけで「デジタル広告の効果」を可視化することは、リソースやコストの面で難しい場合が多いのですが、GAXマーケティングさんのようなマーケティング支援サービスをご利用いただくことで、より評価や予算配分が適切に行えるようになります。また、記事広告の間接効果を証明いただけていることは、私たちにとってもたいへん貴重な知見でした。もし広告出稿でお困りのことがございましたら、お気軽にご相談ください。(尾登)