対象は全国の18歳~65歳以上の働く男女516名です。また比較のため回答者の中からビジネス誌サイトを週に1度以上読んでいる方を抽出しています。
調査概要は以下のとおりです。
■調査対象者:全国の18歳~65歳以上の働く男女
■調査期間:2023年4月10日
■回答総数:516件
■調査方法:「モニタス」インターネット調査
生成AIのビジネス活用は約半数が「よく分からない」
「『生成AI(ジェネレーティブAI)』は自分のビジネスに活用できるか」を聞いたところ、全回答者(N=516)では「よく分からない」が50.4%と約半数となりました。「とても活用できる」「やや活用できる」は20.1%となりました。
一方で、「ビジネス誌系メディアを週に一度以上見る」と回答した人(N=103)に絞ると、「とても活用できる」「やや活用できる」は53.4%と30ポイント以上高くなりました。
ビジネス誌サイトを普段から読む、ビジネスに関心が高い人は、新しい技術である生成AIへの関心も一般の方よりも高いことが分かります。
次に、「ビジネスに『生成AI』を導入しているか」を聞きました。
全回答者(N=516)では「導入の予定はないし、特にしたいとも思っていない」が66.7%と過半数を超えました。
「組織的に導入している」「個人的に導入している」が6.4%と、まだ導入件数は少数であることが分かりました。
一方でビジネス誌メディア読者(N=103)に絞ると、「組織的に導入している」「個人的に導入している」が24.2%と割合が約4倍になりました。
業務効率化や事務作業の軽減に関心が高い
次からは、「ビジネスに『生成AI』を導入しているか」の回答で、「導入の予定はないし、特にしたいとも思っていない」以外の回答をした、生成AIに何らか関心をお持ちの方にお答えいただきました。全回答者の数は172、ビジネス誌メディア読者の数は79です。
生成AIに関心がある方に対し、「どのような業務に『生成AI(ジェネレーティブAI)を活用したいか』を聞きました。
全回答者(N=172)では、「議事録の作成、会議内容の要約」が38.4%、「マニュアルやQ&Aの作成」が34.4%、「チャット・メールの問い合わせ対応」が33.1%となりました。
「動画や音楽の作成」や「バナーやPOPなどの広告コピー作成」「製品のデザイン開発」といったクリエイティブな業務を挙げた方は比較的少ない傾向にあり、これはビジネス誌メディア読者(N=79)に絞っても変わりませんでした。
そのため現在は、生成AIを活用した業務効率化や事務作業の軽減といった点にビジネスパーソンの関心があると言えるかもしれません。
ビジネス誌系メディア読者のほうが生成AIの利用について具体的なイメージができている
最後に「『生成AI(ジェネレーティブAI)』の活用で不安に思っていること」を聞きました。
全回答者(N=172)では、「うまく使いこなせる自信がない」が36.6%、「AIが生成した内容に著作権違反が含まれているかもしれない」が27.9%、「AIが返した返答に偽情報が含まれているかもしれない」が27.3%となりました。
一方でビジネス誌メディア読者(N=79)に絞ると、「うまく使いこなせる自信がない」の割合が27.8%と減り、「AIが生成した内容に著作権違反が含まれているかもしれない」が31.6%、「思考力やアイデア力が低下するかもしれない」が31.6%、「AIが返した返答に偽情報が含まれているかもしれない」が30.4%と、いずれも全回答者の回答比率よりも高くなりました。
「特にない」の回答比率を見ると、全回答者が9.9%に対し、ビジネス系メディア読者が2.5%となりました。
まだ生成AIでできる事柄がイメージできていない方の回答が「うまく使いこなせる自信がない」や「特にない」に流れていると考えられます。
このことから、ビジネス誌メディア読者のほうが、実際に生成AIを利用している比率が高いことから、不安な事柄を含む、利用シーンがよりイメージできていると言えるかもしれません。
まとめ
- ・生成AI(ジェネレーティブAI)がビジネス活用できるかについて約半数が「よく分からない」と回答
- ・生成AI(ジェネレーティブAI)をビジネスの現場で利用しているのはまだ少数
- ・生成AI(ジェネレーティブAI)を活用した業務効率化や事務作業の軽減に関心が高い
- ・ビジネス誌サイトを普段から読む人は、生成AI(ジェネレーティブAI)への関心が一般のビジネスパーソンよりも高い
東洋経済ブランドスタジオは今後も、皆様のビジネスに役立つさまざまな調査を実施してまいります。