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PMPの利点は?どうやって発注すればいいの?「東洋経済オンライン」の担当者が解説します

PMPの利点は?どうやって発注すればいいの?「東洋経済オンライン」の担当者が解説しますPMPの利点は?どうやって発注すればいいの?「東洋経済オンライン」の担当者が解説します
  • テクノロジー
 こんにちは。東洋経済新報社の尾登(おとう)です。
皆様は、自社のデジタル広告を出稿する際や、お客様の広告の運用を依頼されたときに、PMP(プライベート・マーケット・プレイス)を検討されたことはあるでしょうか。
「聞いたことはあるけど、難しそう。どうやって発注すればいいかよくわからない」という方もいらっしゃるでしょう。
聞き慣れない単語も多く、少し心理的なハードルが高いのかもしれません。しかし、PMPは非常に柔軟性が高く、安全で、便利にデジタル広告を出すことができます。
この記事では、「そもそもPMPってどういうもの?」という点を解説したいと思います。

 

柔軟で安心な広告運用が可能なPMP

PMPは簡単に言うと、媒体社が運用するウェブサイトの広告枠を「広告主が指名買いできる」仕組みです。これだけ聞くと「純広告」と何が違うのか、と疑問に思うかもしれません。
純広告とは、媒体社に期間、広告枠、価格などを決めて発注し、決められた条件で配信をするものです。ただこれだと、事前に決められた条件でしか広告の配信ができず、結果は配信が終わった後にしかわかりません。
一方でPMPは、配信の経過を見ながら予算や日程、ターゲティングセグメントを途中で変更することができます
また、純広告では事前に合意したインプレッション数(Imp数)を目標に広告を配信します。しかしPMPでは媒体社の最低出稿金額以上の出稿であれば、比較的柔軟に広告掲載できます。
このようにPMPは純広告よりも柔軟な運用ができるというわけです。

プログラマティック広告の発注方式にはPMPのほかに、オープンオークション(オープンマーケット)というものがあります。オープンオークションは、広告主がRTB(リアルタイム入札)で買いたい広告掲載価格を提示し、媒体社が提示する掲載価格と見合ったら広告を掲載するという仕組みです。但し、PMPのように、媒体を指定することはできません。

PMPで実現できる予算や期間の柔軟な変更は、実はオープンオークションでも可能です。しかしオープンオークションは、媒体社はもちろん、掲載されるページや広告枠を選ぶことができず、どういった広告枠に出るかわからないというデメリットがあります。
例えば、公序良俗に反する内容のページに広告が出てしまうと、自社のブランドを毀損してしまう可能性があります。PMPはこの点をクリアしています。広告主はどのメディアに出るかを指定して買い付けするので意図しない広告枠に出ることはありません。純広告ではImpがあらかじめ決まっているので、買い付け側でアドベリフィケーションツール(広告がきちんとユーザーに閲覧されているか、適切なページや広告枠に掲載されているかを測定するツール)を入れることはできません。
 
また、PMPの配信の際に広告主は、代理店や媒体社が持つアドベリフィケーションツールを利用することもでき、より安心な運用が可能です。
 

DSPから買い付けと入稿を行う

次に、PMPの買い方についてご説明します。
広告発注のプラットフォームであるDSP(ディマンド・サイド・プラットフォーム)を用いて買い付けを行います。DSPには、例えばCriteo、FreakOut、MarketOne、ディスプレイ&ビデオ360などがあります。日本の広告業界では、広告主から依頼を受けた広告代理店さんが発注を行うことが多いようです。

DSPからの発注はSSP(サプライ・サイド・プラットフォーム)を経由し、「東洋経済オンライン」のような媒体社の持つサイトの広告枠に配信されます。例えば「東洋経済オンライン」は、Google、Ad Generation、CMerTV、Teads、fluct、プラットフォーム・ワン、GumGum、フォーエム(順不同)などのSSPを通じてDSPと連携しています。
広告素材の入稿もDSPツール経由で行います。出稿の際に各種ターゲティングを設定することも可能です。

 

煩雑な事務手続きなしに広告を出せるというメリットも

PMPには買い付け方法が2種類あります。
1つ目が、パフォーマンスに応じて買い付け量を自由に調整する「プリファードディール」、2つ目が固定の買い付け量で発注する「プログラマティック・ギャランティード」です。
プリファードディールで買い付けるインプレッション単価は固定となりますが、クリック率(CTR)やクリック単価(CPC)が想定よりもよいときは、さらに追加発注を行うといった運用を行います。プログラマティック・ギャランティードは、期間、単価、買い付け量が固定で発注するものなので、途中で変更することはできません。通常の純広告と似ています。

広告主が媒体社のメディアに純広告を出したいとき、媒体社との間で審査や契約などの事務手続きが発生する場合があります。しかしプログラマティック・ギャランティードだと、広告主と媒体社との間にGoogleなどが入っているため、事務手続きなしに出したいときにすぐに広告を出せるというメリットがあります。
 

広告主の間に広がりつつあるPMP

このように、PMPは純広告やオープンオークションと比べてメリットが多いことがわかると思います。
米国やEU諸国、オーストラリアなどではPMPでの広告取引は一般的です。しかし日本ではなかなか広がっていないのが現状です。いくつか理由が考えられます。
日本のデジタル広告はコンバージョン重視の「刈り取り型」が多く、単価の安さが重視される傾向があります。そのため、安心な広告枠に掲出されるが単価がやや高いPMPの取引がなかなか広がらないと考えられます。
また、媒体社ごとにSSPのプラットフォームが異なっているといった環境面や、PMPの掲載に当たっての事前審査やディール作成に時間や手間がかかるといった作業負荷の面、デジタルリテラシーや商習慣の面も関係している可能性があります。
しかし、詐欺広告などデジタル広告のリスクが大きく注目されることになったことで、PMP取引が注目され始めています。業界全体での取り組みとして、国内の有力媒体社および広告会社から構成されるコンテンツメディアコンソーシアムがあり、東洋経済新報社も参画しています。本コンソーシアムは、コンテンツメディアとしてのブランドの確立と広告の収益の確保を両立させる中で、魅力のある、広告主に使ってもらえるようなパッケージを出していくことを目的としています。このように少しずつではありますが、PMPは日本でも定着しつつあるのです。
 

まとめ

 PMPとは何かについて簡単にまとめました。
「アルファベットが多くて難しそう」と感じた方もいらっしゃるかもしれませんが、一方でメリットも大きいことがおわかりいただけたかと思います。
次回は「東洋経済オンライン」でPMPをどのように使うかといった点を解説していきます。
 
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