米カリフォルニア州パロアルトに本社を構えるVMware(以下、ヴイエムウェア)は、仮想化とクラウドコンピューティングにおける世界的なIT企業です。2003年に日本へ進出して以来、デジタルインフラを支えるさまざまなITサービスを提供してきました。そんな同社が掲げるビジョンとは何か。そして、日本市場で「東洋経済オンライン」をはじめとした、ビジネスメディアをどのように活用してきたのかをヴイエムウェア日本法人社長・山中直氏にうかがいました。
日本企業に足りない
「これまで」と「これから」をつなぐテクノロジー
ヴイエムウェアは1998年の設立以来、クラウド、アプリケーション モダナイゼーション、ネットワーキング、セキュリティ、デジタルワークスペースなどさまざまなデジタルインフラを提供してきました。シリコンバレー発の優れたイノベーションの進化を活用することで、あらゆるアプリケーションに対応したマルチクラウドサービスを提供するリーディングプロバイダーとして世界的IT企業の存在感を高めています。
そうした中、日本市場ではどのようなビジョンの下、活動してきたのでしょうか。同社社長である山中直氏が次のように語ります。
「私たちのサービスは仮想化のテクノロジーをベースとしてきました。当初はサーバーを仮想化して、企業がより効率的かつコストをかけずに広範囲に利用できるサービスを提供してきましたが、近年ではそれをクラウドで展開しています。あらゆる企業のクラウド利用をサポートすることで、セキュリティやネットワークなどを統合的に管理するサービスが中心となっています」
同社は、ビジネスを進めるうえで、ピープル、プロセス、テクノロジーの3つの要素を大事にしてきたと言います。この3つが変化しない限り、大きな変革は起こらない。そのためにも、顧客と寄り添い、伴走することに重点を置いてきました。
「今、多くの企業ではDXが進められていますが、実は企業が“これまで”に投資してきたIT資産(システムやアプリケーション)も優れており、必要なものは捨てずに使い続けることができるのです。ただ、そのままでは“これから”の投資との両立に非効率なところが生じてきます。そのため、私たちはお客様に対し、『攻め(これから)』と『守り(これまで)』を両立するDXをサポートすることを重視しています。“これまで”と“これから”をつなぐテクノロジーを活用して投資を最適化していかなければならない。つまり、ビジネスの必要性に応じて柔軟に対応できるプラットフォームをお客様に提供する必要があるのです」
そうした中、日本市場ではどのようなビジョンの下、活動してきたのでしょうか。同社社長である山中直氏が次のように語ります。
「私たちのサービスは仮想化のテクノロジーをベースとしてきました。当初はサーバーを仮想化して、企業がより効率的かつコストをかけずに広範囲に利用できるサービスを提供してきましたが、近年ではそれをクラウドで展開しています。あらゆる企業のクラウド利用をサポートすることで、セキュリティやネットワークなどを統合的に管理するサービスが中心となっています」
同社は、ビジネスを進めるうえで、ピープル、プロセス、テクノロジーの3つの要素を大事にしてきたと言います。この3つが変化しない限り、大きな変革は起こらない。そのためにも、顧客と寄り添い、伴走することに重点を置いてきました。
「今、多くの企業ではDXが進められていますが、実は企業が“これまで”に投資してきたIT資産(システムやアプリケーション)も優れており、必要なものは捨てずに使い続けることができるのです。ただ、そのままでは“これから”の投資との両立に非効率なところが生じてきます。そのため、私たちはお客様に対し、『攻め(これから)』と『守り(これまで)』を両立するDXをサポートすることを重視しています。“これまで”と“これから”をつなぐテクノロジーを活用して投資を最適化していかなければならない。つまり、ビジネスの必要性に応じて柔軟に対応できるプラットフォームをお客様に提供する必要があるのです」
シリコンバレー企業だからこそ求められる
「日本に根ざしたブランディング戦略」
同社が日本市場で注力しているのが、ブランディング戦略です。
「私たちはシリコンバレーの企業ではありますが、お客様の変革をサポートしていくためにも日本に根ざした企業でありたいと考えています。グローバルベースのベストプラクティスとテクノロジーを掛け合わせつつ、日本固有の課題や文化を理解し、日本に最適な形で、あるべきDXを提供していきたい。そのためのブランディングが必要なのです」
現在、DXを進める日本企業には、ビジネスとテクノロジーを同じレベルで議論する必要性があります。そうしたなか、CIOだけでなく、CEO/COO/CFOといった経営層にも積極的にアプローチすることが必要不可欠になってきたと山中氏は指摘します。
「私たちはテクノロジープロバイダーであるため、基本的にはCIOの方との交流が多いのです。そうした方々にメディアを通して、DXを再定義し、テクノロジーを戦略的に活用することで生まれるビジネス変革を伝えていきたい。そして、その効果についてはCEO/COO/CFO といった方々にもメッセージを届けていきます。すでに欧米ではCEOがデジタルテクノロジーの重要性を理解し、経営戦略の中に組み込みつつあります。日本では、今はDX化自体が目標となっていますが、これからはビジネスプロセス、組織、カルチャーなどさまざまな自社の要素を俯瞰的に捉え、自分たちにとって、あるべきDXとは何かを考える必要があるのです」
「私たちはシリコンバレーの企業ではありますが、お客様の変革をサポートしていくためにも日本に根ざした企業でありたいと考えています。グローバルベースのベストプラクティスとテクノロジーを掛け合わせつつ、日本固有の課題や文化を理解し、日本に最適な形で、あるべきDXを提供していきたい。そのためのブランディングが必要なのです」
現在、DXを進める日本企業には、ビジネスとテクノロジーを同じレベルで議論する必要性があります。そうしたなか、CIOだけでなく、CEO/COO/CFOといった経営層にも積極的にアプローチすることが必要不可欠になってきたと山中氏は指摘します。
「私たちはテクノロジープロバイダーであるため、基本的にはCIOの方との交流が多いのです。そうした方々にメディアを通して、DXを再定義し、テクノロジーを戦略的に活用することで生まれるビジネス変革を伝えていきたい。そして、その効果についてはCEO/COO/CFO といった方々にもメッセージを届けていきます。すでに欧米ではCEOがデジタルテクノロジーの重要性を理解し、経営戦略の中に組み込みつつあります。日本では、今はDX化自体が目標となっていますが、これからはビジネスプロセス、組織、カルチャーなどさまざまな自社の要素を俯瞰的に捉え、自分たちにとって、あるべきDXとは何かを考える必要があるのです」
早稲田大学・入山章栄教授との対談で「DXの本質」を伝える
ヴイエムウェアでは、そうした施策の一環として、「東洋経済オンライン」で早稲田大学ビジネススクール教授の入山章栄先生との対談記事を実現させました。そこではどのような効果があったと感じているのでしょうか。
「企業経営に知見が深い入山先生と、私たちの対談によって、DXの本質である『ビジネス×テクノロジー』という考えを経営層に訴求することができました。また、今回レコメンド記事にも選ばれたことで、多くの読者にメッセージが届いたことを実感しています。これからも多くの経営者にテクノロジーに大きな関心を持ってもらうためにも、日本のDXをサポートするさまざまなIT企業や、経営のプロフェッショナルの方々との対談記事などを連載化してもいいのではないかと思っています」
一方、経営者である山中氏は、日本におけるメディアのあり方について、どのように感じているのでしょうか。
「私はもともと日本の企業で働いていたこともあり、日本と海外の両方の視点でビジネスを見るよう心がけています。DXのベストプラクティスが両方の目で見る必要があるように、メディアも、複数の視点から読者に方向性を示すような記事コンテンツを提供してほしいですね」
経営者として山中氏自身も、日頃からビジネスメディアを利用していると言います。
「平日はなかなか時間がとれないので、移動中か、週末にビジネスメディアには目を通しています。移動中はスマホで記事を読むことが多いのですが、自宅では紙媒体が中心ですね。オンライン記事はどこでも読めて便利ですが、紙のほうがじっくりと読むことができます。俯瞰的に考えるという点では紙のほうがいいかもしれません。業界の経営者の視点を通してほかの業界を体感できますし、多くの学びがあります」
最後に「東洋経済オンライン」に対するリクエストを聞いてみました。
「経営者をはじめ、さまざまな業界をカバーした記事を提供しているのですから、そうした方々をつなぎ、異業種の経営者同士が交流できる場になることを期待しています。そこでディスカッションすれば、さらに新たな視点が見えてくるのではないでしょうか」
小社も、ビジネスパーソンたちを支え、つないでいくことができれば健全なる経済の発展に寄与できるかもしれません。
「企業経営に知見が深い入山先生と、私たちの対談によって、DXの本質である『ビジネス×テクノロジー』という考えを経営層に訴求することができました。また、今回レコメンド記事にも選ばれたことで、多くの読者にメッセージが届いたことを実感しています。これからも多くの経営者にテクノロジーに大きな関心を持ってもらうためにも、日本のDXをサポートするさまざまなIT企業や、経営のプロフェッショナルの方々との対談記事などを連載化してもいいのではないかと思っています」
一方、経営者である山中氏は、日本におけるメディアのあり方について、どのように感じているのでしょうか。
「私はもともと日本の企業で働いていたこともあり、日本と海外の両方の視点でビジネスを見るよう心がけています。DXのベストプラクティスが両方の目で見る必要があるように、メディアも、複数の視点から読者に方向性を示すような記事コンテンツを提供してほしいですね」
経営者として山中氏自身も、日頃からビジネスメディアを利用していると言います。
「平日はなかなか時間がとれないので、移動中か、週末にビジネスメディアには目を通しています。移動中はスマホで記事を読むことが多いのですが、自宅では紙媒体が中心ですね。オンライン記事はどこでも読めて便利ですが、紙のほうがじっくりと読むことができます。俯瞰的に考えるという点では紙のほうがいいかもしれません。業界の経営者の視点を通してほかの業界を体感できますし、多くの学びがあります」
最後に「東洋経済オンライン」に対するリクエストを聞いてみました。
「経営者をはじめ、さまざまな業界をカバーした記事を提供しているのですから、そうした方々をつなぎ、異業種の経営者同士が交流できる場になることを期待しています。そこでディスカッションすれば、さらに新たな視点が見えてくるのではないでしょうか」
小社も、ビジネスパーソンたちを支え、つないでいくことができれば健全なる経済の発展に寄与できるかもしれません。