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「出会いからイノベーション」を生み出す
Sansan流マーケティング戦略

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  • イベントレポート

 

法人向けクラウド名刺管理サービスの草分け的存在であるSansan。現在はコンセプトを刷新した営業DXサービス「Sansan」を中心に、インボイス管理サービス「Bill One」、契約DXサービス「Contract One」などを展開し、好調な事業拡大を図っています。同社は印象的なテレビCMで有名ですが、デジタル広告についても積極的な展開を見せています。そこではどのようなブランディング、マーケティング戦略を進めているのでしょうか。そして「東洋経済オンライン」をどのように活用しているのでしょうか。Sansan株式会社ビジネス統括本部マーケティング部メディアプランニンググループマネジャーの北川裕彬氏にお聞きしました。

 

他社にない一歩踏み込んだDXサービスを展開

国内でいち早く法人向けのクラウド名刺管理サービスをスタートさせたSansanは、2007年設立。その後、19年に東証マザーズ、21年には東証1部に上場し、現在は東証プライムに区分される成長企業です。同社は今ミッションとして「出会いからイノベーションを生み出す」ことを掲げ、ビジネスにおける出会いを起点に、働き方を変えるDXサービスを展開する企業へと進化を遂げようとしています。

同社は、営業DXサービス「Sansan」、インボイス管理サービス「Bill One」、契約DXサービス「Contract One」、名刺作成サービス「Sansan 名刺メーカー」のマーケティング全般を、約50名・9グループの陣容で担っています。

現在、北川氏は、メディアプランニンググループ、サイトグロースグループという2グループのマネジメントを担当。メディアプランニンググループではテレビCMを中心とした認知拡大のほか、ウェブ広告などデジタルでのリード・商談の獲得、リードナーチャリングによるCRM(Customer Relationship Management)をてがけています。サイトグロースグループでは各種サービスサイトのUI/UX改善やパフォーマンスの最大化を図ることをミッションとしています。


同社では創業期の戦略として、名刺管理サービスという市場を創出し、市場自体を構築していくという戦略を取ってきました。しかし、徐々に競合サービスが増えてきたことで、競合他社との差別化が求められるようになりました。その結果、名刺管理というサービスから一歩踏み込んで、営業DXの推進までフォローする事業を展開するようになっていったのです。

「いずれの施策においても事業貢献に重点を置いています。例えば、認知施策であれば単なるリーチ最大化や認知度向上だけではなく、ターゲット企業の役職者との直接的なタッチポイントの創出や、すでに進行中の商談のフェーズアップにつながるかという点が大切です。リード獲得系の施策であればリード数、リードCPA(顧客獲得単価)といった目先の指標ではなく、リードを獲得した後の商談、受注への転換率や費用対効果も、施策ごとに細かく分析・評価しています」

マーケットの変化をタイムリーに捉え事業内容を充実

成長フェーズにかかわらず、一貫してPDCAを回してきた同社。自社セミナーやカンファレンスにも積極的な中、コロナ禍以降は顧客アプローチ法にも変化が起きているといいます。

「コロナ禍においてオンライン化していたイベントが、昨今では感染状況を鑑みてオフラインでの開催が増加してきました。これにより、顧客へのアプローチ方法もオンラインとオフラインのハイブリッドな施策へと変わってきています。このような背景も一因となり、営業部門がマーケティング的な顧客アプローチを主体的に行う企業も増えてきていると感じています」


今年、「Sansan」を名刺管理サービスから営業DXサービスへとコンセプトを刷新することになりました。その結果、営業部門が主体となって戦略の立案から顧客へのアプローチまで、データを基にしたさまざまなアクションが実行できるように事業内容がさらに充実することとなりました。ビジネス全般において自らメールマーケティングやウェビナーによって顧客との接点を創出する動きが活発化しているなか、顧客からの評価も高まっているといいます。

「営業活動を効率的に展開するために、マーケティング部門が管理している顧客ごとのマーケティングデータを活用する動きは今後も増えていくでしょう。また、バックオフィスDXの潮流が到来しているとも感じています。電子帳簿保存法やインボイス制度への対応に動き出す企業が増えているなか、サービス提供側もテレビCMやデジタルを中心とした広告投資を強化し、まさに市場はレッドオーシャンになりつつあります。私たちも「Bill One」「Contract One」へのマーケティング投資を強化し、新たな顧客の開拓やクロスセルを進めています」

メディアと二人三脚で築くブランディング戦略

同社はリードジェネレーション(直接リード提供を行うメニュー)やイベント集客活用を目的として「東洋経済オンライン」を長く活用してきました。その理由は「東洋経済オンライン」が役職者や、決裁権限のある層にアプローチしやすい媒体であったからと言います。しかし、最近ではブランディングを目的とした連載を始めるなど、新たな施策も始まっています。

「『東洋経済オンライン』はターゲット含有率や媒体特性がマッチしているという点で、当社のマーケティング施策にとって非常に重要なメディアだと位置づけています。ホワイトペーパーやイベントといったコンテンツを活用したリード獲得の成果も高く、これまで継続的に出稿してきました。一方、約2年前からブランディングを目的としたタイアップ記事の出稿にも着手しています。背景としては、テレビCMを中心とした認知施策を継続的に実施してきたことで、サービスの認知は一定程度向上してきたものの、顧客が抱えている経営課題や業務課題の解決策として当社のサービスが想起されておらず、そこに対する打ち手が抜け落ちていることが課題だったのです。このキャズムを埋めるための打ち手を当社では“ミドル施策”と位置づけ、顧客の課題に対する解決策として当社サービスを結び付けることを目的にタイアップ記事を出稿しています」


「東洋経済オンライン」を1つのツールとして、事業拡大に積極的に活用してきたSansan。「東洋経済オンライン」に対し、今後どのようなことを求めているのでしょうか。

「つねに最新のトレンドを発信し、ビジネス感度の高い方々の集まるメディアとしてスケールし続けていただくことを期待しています。窓口となっていただいているスタッフも私たちの課題に対し、親身になって伴走していただく姿勢が心強いです。今後も東洋経済だからこそ知りうる市場の変化やユーザーの興味関心といった、リアルな情報をタイムリーに提供いただきながら、新たなトレンドを共につくっていくパートナーとして、お取り組みできればと思っております」

顧客の課題解決から自社のブランディンまでメディアと共に二人三脚で未来を切り拓くSansan。その歩みが新たな企業ブランディングの先駆けとなる日は、近いのかもしれない。