RTB(Real-Time Bidding)で金額をオークション

RTB(Real-Time Bidding)で金額をオークション

新津 尚男

 東洋経済新報社の新津です。前回はアドネットワークについて書きました。今回はその後登場した、RTB(Real-Time Bidding)、の仕組みを書きます。いわばアドテクノロジーの本丸になります。今回はいくつか専門的な用語も登場します。RTBのほかに、DSP(Demand-Side Platform)、SSP(Supply-Side Platform)、アドエクスチェンジ、などの単語が登場します。

 

RTB、DSP、SSP、アドエクスチェンジとは

 今回のお話しは簡単に言うと、オークションの仕組みを使って広告の配信価格を決めるということです。まずは概念を説明するために用語の解説をします。

・RTB(Real-Time Bidding):インプレッション表示に対し、複数の入札を行い、いちばん高い金額をつけた購入者(主に代理店)の広告を表示する仕組みです。

・DSP(Demand-Side Platform):広告主側の仕組みでBuy-Sideとも言われます。広告効果を最大化するための買い付け側のプラットフォームです。

・SSP(Supply-Side Platform):媒体社側の仕組みでSupply-Sideとも言われます。広告収益を最大化するための媒体側のプラットフォームです。

・アドエクスチェンジ:インプレッションで取引をする広告市場を示します。

 

RTBの仕組み解説

 下の図を使いながら仕組みを解説します。
 SSPは①広告枠に配信可能な在庫がありますというリクエストを出します。②RTBを通り①のリクエストは入札のリクエストになります。③DSP各社はリクエストに対するマッチングを行い、買い付けのリクエストを送ります。④最も高い買い付け単価の広告が配信されます。

 いちばん高い単価の広告が自動的に表示されるというのが画期的なところです。それまでのアドネットワークでは、横断的に媒体社を指定するやり方が一般的でした。
一方RTBは1インプレッションごとに入札し、オークションに勝って初めて広告が表示されます。一見面倒ですが、実際はシステムを使った仕組みなので一瞬のうちに処理されます。買い付け側は、安い単価で買うためには特定のターゲットに対し買い付けるなどの差別化が必要になりました。次第にRTBでの買い付けは、広告掲載面を買うのではなく、ターゲットした枠を買い付けするという考えになります。

 

RTBが登場しアドエクスチェンジに変化が

 アドエクスチェンジは最初、アドネットワークを束ねたものにすぎませんでした。
その後、さまざまなアドネットワークが登場すると、広告主や代理店は、複数のアドネットワークを使うようになります。しかしおのおののアドネットワークに個別に入稿するのは面倒です。そこで複数のアドネットワークを束ねるアドエクスチェンジが登場したのです。
アドネットワークを束ねたことによりアドエクスチェンジは、課金の方式や、出稿形式を統一化することになりました。この標準化がアドテクノロジーを使ったRTB取引の場としての活用されることになったといわれています。

 ここでRTBが登場した経緯について触れます。
RTB(Real-Time Bidding)は2007年から2010年ごろにかけてDSP、SSPとともに出現しました。この仕組みは、リーマンショックで職を失った金融工学の技術者がつくったといわれています。このRTBの機能が先に書いた出稿形式の統一化によってアドエクスチェンジの中に加わりました。
そしてアドエクスチェンジは、アドネットワークの集合体から、DSPとSSPの仮想取引の場へと変化していきます。

 RTB取引が一般化すると、オークション取引が増え、価格競争が生まれます。
DSP(買い付け側)はいかに安く・正確にターゲットするかを極める一方、SSP(売り手側)はいかに高く広告を配信するかを極めます。両社の取引がRTB上で行われ価格が決まります。さまざまなターゲット・様々な価格の取引が無数に行われる中で、単価の幅が出てきました。その中で商品カテゴライズの動きが出てきます。次回は、RTBがきっかけで生まれたプログラマティック広告の商品について書きたいと思います。


 

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