「心、おどる、デジタル」を実現する、アドビ流のコンテンツマーケティング

「心、おどる、デジタル」を実現する、アドビ流のコンテンツマーケティング

コラム編集部

ITソフトウェア企業のアドビ様も東洋経済オンラインとの取り組みを進めていらっしゃいますが、実際のマーケティング戦略の取り組みの中で、どのように活用されているのか。全体戦略の中での戦術の概要、そして、小社メディアに期待していることについて、アドビ株式会社マーケティング本部パフォーマンスメディア部部長の松本恵美子氏にお話を聞きました。
ITソフトウェアの著名企業であるアドビ。同社のマーケティング部門では製品カテゴリーとターゲットセグメントを分けており、松本氏はその両方をつなげるデジタルマーケティング全般を担当している。
「アドビでは早くからeコマースを導入し、直販ビジネスを手掛けてきました。そのため、ホームページへの流入をいちばんのKPI(重要業績評価指標)としてきましたが、現在、私が所属するパフォーマンスメディア部ではサブスクリプション(月額課金制)へ移行したAdobe Creative CloudとAdobe Document Cloudの売り上げ拡大、利用者数の増加を最優先のKPIとして活動を行っています」

実際、同社ではサブスクリプションを始めて以来、ウェブの直販を主軸としており、マーケティング戦略の9割以上をデジタルで行っている。
 


「あらゆるタッチポイントから認知度を高めることはもちろん、メッセージやランディングしたページを、よりパーソナライズして、お客様の興味や関心、現在のステージに合ったメッセージを出すように努めているのです」

その中でも、松本氏が10年ほど携わってきた検索マーケティングの領域では、顧客が自らの要望を直接、検索ボックスに入力するため、ストレートな顧客のニーズをデータとして蓄積し分析することができる。松本氏は、その情報データを基にテストを繰り返しながら、顧客のオンラインジャーニーの最適化、設計の組み直しを日夜行っている。
「サブスクリプションの導入以降、フェーズごとにKPIを設定することになりました。まず導入のディスカバーフェーズではビジットとエンゲージメント、次にソフトウェアの体験、購入に至るフェーズではユニット数、そして、利用更新のフェーズであるリテンション(既存顧客維持)では、利用継続率をチェックするなど、きめ細かい対応を取るようにしているのです」

また、コンテンツマーケティングでも検索マーケティングを活用しており、検索トレンドでキーワードを把握するほか、各セグメント、カテゴリーごとにキーワードカテゴリーを作成している。例えば、デザイン、ビデオ、写真といったように、セグメントごとに製品に最も近い顧客に関連する検索リストを作成、そのリストを指標化することで、その数値をTAM(Total Addressable Market)と照らし合わせて、どれくらいのシェアを獲得できたのかをKPIとしてチェックしているという。

こうしたマーケティング戦略を日常的に展開していく中で、今回のコロナ禍では、ビジネスにどのような変化があったのだろうか。松本氏は次のように語る。
「私自身も在宅勤務をするようになりましたが、リモートワークが浸透する中で、toC/toBともにニーズが高まっていると感じています。例えば、一部の書類や契約書のために出社しなければならない“ハンコ出社”を解決するソリューションツールとしてAdobe Signが注目されており、コロナ禍以前に比べ、3倍以上の伸びを示しています。また、印刷する必要なくデジタル上で編集・管理できるAdobe Acrobatや、YouTubeの流行によって、人気が高まった動画編集ツールであるAdobe Premiere Pro(プレミアプロ)も大きく伸びています。とくに動画編集については企業でもプロモーションツールとして注目されており、今後ますますニーズが高まっていくと期待しております」

そんな好調な動きを見せるアドビではAdobe Signのプロモーションのため、今年2月に初めて東洋経済オンラインを活用するに至った。そこにはどんな狙いがあったのだろうか。
 

 
「電子サインのニーズが伸び、早急に認知施策を立てていく中で、ハンコから電子サインを導入したのに使いこなせないという声をお客様からいただきました。では、そのハードルを取り払って、私たちがお客様に寄り添っていくためにはどうすればいいのか。そこで記事をお願いすることになったのです。なぜ電子サインが日本では普及しないのか。いわば、従来のハンコ文化から脱却し、電子サインの有用性を促す視点から、有識者の意見を取り入れた記事づくりを行ったのです。その結果、かなりの反響がありました。事実、通常の記事の平均滞在時間は1分ほどだといわれていますが、この記事については4分。読了率についても4割と高い効果を示し、かなり読み込まれ、成果があったと実感しております」

同社では、続いてAdobe Creative Cloudのプロモーションでも、3回の連載を東洋経済オンラインで実施している。松本氏が言う。
「電子サインの記事で、有識者を含めた第三者の知見が非常に勉強になったということで、盛り上がりを見せる動画編集の分野でも、3回の連載でご依頼することになりました。動画編集では副業やギグワークといった関連のバズワードが散見されており、これらをキーワードに盛り込むことで多くの読者にリーチできるのではないかと考え、記事化するに至ったのです。連載記事についても非常に満足しています。編集の段階でも修正はほとんどなく、ポイントを押さえたうえで、テーマを深掘りしており、読ませる技術も高い。その意味でも、非常にクオリティーの高い記事になったと考えております」

アドビでは現在、「心、おどる、デジタル」というビジョンを掲げている。そこでは若い世代を育てることを重視しており、これまでも小中高校向けライセンスをユーザー1人あたり年間約500円から提供したり、ビジュアルプレゼンテーションツールのAdobe Sparkを教育機関向けに無料提供しているが、今後も教育などの分野でアドビのプレゼンスをさらに高めていきたいという。

だが、こうした新たなマーケットを攻略するときに欠かせないのが、ビギナー向けのコンテンツマーケティングだ。その施策のためにも今後とも東洋経済オンラインなどのデジタルメディアを活用していきたいと松本氏は語る。
 

 
「東洋経済オンラインは、かなり信頼度の高いメディアとして評価されていると思います。とくにビジネスパーソンにリーチできるメディアとしてはかなり心強い。これからもオウンドメディア以外でも、東洋経済さんのような第三者のメディアを活用して、ビギナーの方でも満足していただけるようなコンテンツづくりを行っていきたい。そのためにも、東洋経済とは今後ともよきパートナーであっていただきたいと思っています」

 

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