

2025年9月10日
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「ステークホルダーに響く広報誌って、結局どう作ればいいの?」
そんなお悩みをお持ちの広報担当者の方は、少なくありません。
自社内に広報誌の編集チームを持つ企業もあれば、外部委託する企業もあります。どちらの制作体制だとしても、企業側担当者の一番の関心事は「読者からの反応」です。もっと言うと、ステークホルダーにポジティブな印象を持ってもらうことです。
広報誌制作で結果を出すために重要なことについて、わかりやすくご紹介いたします。
企業が発行する媒体には、広報誌のほかにも「社内報」や「会報誌」があります。それぞれの違いをひとことで言えば、読者対象が異なるということです。
「広報誌」とは、官公庁や企業、団体などが、その業務や活動について世間一般に広く知らせる冊子です。「社内報」は、社内の従業員やその家族に対し自社の活動を伝えるもの。広報誌と似た意味で使われる「会報誌」は、広報誌より情報発信する対象が狭まり、会員や顧客といった特定の組織・グループに向けて企業の活動内容を知らせる目的で発行されます。
一方で、これら3つに共通することもあります。それは、記事内容を通じて発行元の組織と読者をつなぐコミュニケーションツールとして機能している点です。
中でも企業にとって広報誌は、「強力な営業ツール」になります。自社製品やサービス、技術情報などを自由に発信でき、潜在顧客の掘り起こしや取引先へのアプローチにも使えるからです。
広報誌を内製している企業の多くは、部署内に編集チームを立ち上げ、企画立案や取材、執筆そして編集などを自社の社員が行っています。制作ノウハウを社内に蓄積するなど、さまざまな理由がありますが、その場合でもデザインや印刷については、外部へ委託することが多いようです。
一方で、
「広報誌の」制作も編集も順調にできている」
「しかし、内容が何か物足りない。企画がマンネリしている……」
という、広報誌担当者からの相談を受けることは少なくありません。
よい企画を立て、質の高い記事を1年2年と継続的につくり続け、広報誌のファンを増やし、ステークホルダーに響く内容を発信し続けることは容易ではない、と企業の担当者自身が感じているからです。
現代の読者は、世の中にあふれる大量の情報に触れており、「目が肥えて」います。そのため、よほど優れた内容でなければ読んでもらえません。
「言うは易く行うは難し」で、多くの人は批評家にはなれますが、実際に面白いと思わせることのできる記事を作るのは簡単ではありません。今まで読んだことがないような切り口の特集や、読者を惹きつける記事を制作するには、スキルと経験が必要なのです。
そこで検討したいのが、外部の制作会社に記事制作を委託することです。
外部の制作会社や編集のプロに委託すれば、もちろん費用はかかります。しかしその分、自社の社員が別の業務に集中できる環境が整います。社員の負荷を軽くしながら、質の高いコンテンツをつくり発信し続けることができるようになるのです。
内製する場合には、記事を書いた人が自分で読み直し、文章を整える作業をすることが多いです。これを編集と校正といいます。しかし、プロのライターでも、作家だとしても、自分で書いた文章を客観的に見直すのは非常に難しいのです。
そのため、企画を立て、文章を見直すことなどを専門にする編集者や、書くことを専門にするライターなどそれぞれのプロが各工程を担うことで制作物の精度をぐんと高めています。その結果、対外的な信頼度が高まるという好循環が起きるのです。外部委託のメリットはここにあるでしょう。
また、制作のプロが携わることによって企業側は、新たな視点や発想を得られるようになるのも期待できます。それは、社員にとっても学びがあるものになるでしょう。
例えば、自社の編集チームと外部の制作会社がひざを突き合わせて議論を経ることで、新しい、有機的な化学反応が生まれるかもしれません。そのような編集会議を定例で開くことによって、アイデアが蓄積され、そこから派生的に人気企画が生まれることもあるでしょう。
そして、出版社をはじめとする制作会社には、ライターやカメラマン、デザイナー、イラストレーターといった広報誌制作に必要な、プロの人脈が豊富にあります。こうした人脈を活用し、誌面のクオリティを上げたり、表現のバリエーションを広げたりすることができます。
近年ではSNSやオウンドメディアの運用など、広報担当者が手がけるべき情報発信のツールが多岐に渡り、人材リソースが不足している……という悩みの声もよく耳にします。
外部リソースも活用しながら効果的な情報発信を行うのが、現代の広報の課題ともいえます。だからこそ、外部のプロに適宜協力を求めることを積極的に検討してみてください。
ここからは、ファンを増やすための広報誌づくりについて、手順とコツなどを簡単にご紹介します。
1:企画立案
広報誌の発行において一番大切なのは、「この広報誌はどんな読者を対象とし、読者にとってどんな情報を提供し、読み終えてどのような課題を解決してほしい」と考えているかを明確にすることです。
それはつまり、編集方針であり広報誌の創刊コンセプトといえます。広報誌の存在意義をハッキリ言語化し、制作に携わる人々が共通認識を持つことで、企画の精度はグンと上がります。
2:編集会議
制作メンバーがそれぞれ、企画を持ち寄り、編集会議を行います。この際、外部の制作会社へ委託するのであれば、対面で打ち合わせる定例の編集会議を設定するとよいでしょう。
企画書に記された内容から派生した雑談にこそ、新たな企画の切り口やネタは隠れているものです。リモート会議で済ませる会社も多いかもしれませんが、あえて、リアルの場で意見を出し合う場を設けておくと、制作を進行する際にも意思疎通が行いやすくなります。
3:取材依頼・取材
企画が決まったら、ページ数を割り振り、担当者の役割分担を行って記事の内容を具体化していきます。取材が必要な場合にはアポイントを取る、著名人などへ執筆を依頼するといった作業が発生します。
対面取材ではとくに、取材先へのマナーや配慮といった見えない心遣いができることも大切です。外部の制作会社を選ぶ際には、納品物の完成度だけでなく、そのような安心感を持てる会社を選ぶといいかもしれません。
4:写真撮影
自社で内製する場合には、広報担当者が自身で撮影するケースもあります。しかし、紙媒体の場合、印刷時の仕上がりをよくしたり、見た目のインパクトを狙ったりするためには、プロのカメラマンに依頼するほうが賢明でしょう。
下に、事例写真を掲載していますのでご覧ください。高度な専門知識と機材を持ったプロに依頼すると、こうした「映える」写真の反響を実感できるはずです。
5:原稿作成
取材後、できあがってきた原稿が企画趣旨に合っているか、情報の過不足がないかなどを確認しながら、編集作業を行います。
この際、大切なことはやはり、「読者はこの内容を読みたいと思うのか?」と自問自答し続けることです。また、外部の制作会社に委託した場合はとくに、自社のオーダーと成果物の視点がズレていないか、といったことをしっかり見極めることも大切です。
6:タイトルや見出しの作成
記事を読んでもらうために、一番大事なのはタイトルです。記事内の見出しが適切でキャッチーでないと、読者は読み進めてはくれません。
この部分は、ライターや寄稿者よりも編集者の腕の見せ所といえます。
7:レイアウト制作やDTP作業
印刷を行うには「入稿データ」と呼ばれるものを作成します。これは主にデザイナーが担当する工程です。専用のソフトを用いて、写真や原稿を読みやすいように誌面に配置し、印刷用の元データを作ります。
最近の傾向としての注意点は、「印刷物のデザインをしたことがない」というデザイナーが増えていることです。
一口にデザイナーといっても、領域はさまざま。特にWebと紙のデザインは全く別物で、紙媒体に不慣れなデザイナーから受け取ったデータを印刷に回すと、さまざまな不備が印刷所から指摘されたり、印刷後に問題が発見されたりといった事故にもつながりかねません。
外部委託するの際には、デザイナーの実績をよく考慮して依頼すべきでしょう。
8:校正
誤字や脱字がないか、表記が統一されているかなどについて確認する作業です。また、記事内の内容に間違いがないかという校閲作業まで行うと、質を担保できてより信頼度の高い媒体になります。
9:印刷・製本・配布
完成したデータを印刷所へ入稿します。「ゲラ」と呼ばれる試し刷りで文字最終確認を念入りに行い、「色校正」では写真やイラストの色味が問題なく出ているかを確認をします。その後、正式に印刷し、製本を経て発行元や読者へ配布します。
印刷所は、どこでも同じと思いがちですが、実は違います。得意・不得意な分野があります。
印刷物のクオリティをコントロールするためには、出版社など、紙媒体や印刷所に詳しい制作会社と協力することも1つの方法です。
ハリマ化成グループ様の企業広報誌です。松の木から得られるロジンなどを扱う化学メーカーであり、お取引先様や大学等研究機関、同社の財団関係者様に向け情報を発信しています。
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