東洋経済 CSR企業ランキング2023年(第17回)について
東洋経済新報社「財務・企業評価チーム」が作成。アドバイザーは明治大学商学部の山本昌弘教授。本ランキングの採用データは、東洋経済が毎年行っている東洋経済「CSR調査」データと、東洋経済が保有する上場企業財務データ。東洋経済「CSR調査」は、今回第18回目の調査(2022年調査)として、2022年6月、全上場企業・主要未上場企業3924社を対象に調査票を送付。回答結果等を基に1702社(上場1640社、未上場62社)のCSRデータを取りまとめた。この調査データを使い、「人材活用」「環境」「企業統治」「社会性」の4分野別の評価を行い、それぞれ「AAA、AA、A、B、C」の5段階評価の格付けと100点満点の得点を作成した。
評価項目は基本的にアンケート調査による。一部を除きサステナビリティ報告書、CSR報告書等による補足評価は原則行っていないが、アンケート調査の過程での取材等で入手したデータは加味している場合がある。またアンケート未回答でも、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のESG指数銘柄の一部などは公開情報から調査を行っている。
評価方法は原則として全項目加点方式で、ネガティブなデータを回答したことによって減点されることはない。逆に情報開示という観点から、一部の項目では数値の優劣にかかわらず、有効回答があったことに対し加点している。また、評価の対象は原則2021年度までのデータによるため、直近における企業による事件・不祥事等は原則として評価に含まない。
財務評価は多変量解析の主成分分析手法を用い、「収益性」「安全性」「規模」の3分野で行った。対象会社は2022年9月1日時点に上場している一般事業会社。銀行、証券・商品先物、保険、その他金融、未上場を除く。決算期は2022年3月期までが対象。財務データは上場後の決算で直近3期平均(最低1期は必要)を使用。
CSR分野の「人材活用」(100点満点)、「環境」(同)、「企業統治」、「社会性」(「企業統治」と「社会性」の合計で100点満点)の4つ(計300点満点)に、「財務」(収益性、安全性、規模、各100点、計300点満点)を加え、総合ポイント600点満点でランキングを作成した。
「人材活用」、「環境」、「企業統治+社会性」、「企業統治」、「社会性」はそれぞれの評価項目の得点を合計して基礎得点を算出し、続いてトップ企業が100点になるよう調整している。「企業統治+社会性」は「企業統治」と「社会性」の評価項目を一つの分野としてすべて合計して基礎得点を計算している。「企業統治」と「社会性」のランキング得点の平均値にはならないので注意していただきたい。
総合ランキングの対象から銀行、証券・商品先物、保険、その他金融、未上場(一部例外)は除いている。ただし、上場企業の主要子会社は親会社の財務評価を使用し、財務情報の提供会社は特別に評価を作成している場合がある。
各項目の評価のポイント・基礎得点の一覧はこちらをご覧ください。
●評価項目(太字は今回、追加項目)
〔CSR評価〕
【人材活用】
- 女性従業員比率
- 世代別女性従業員数
- 離職者状況
- 年間総労働時間の開示
- 残業時間・残業手当
- 残業削減の取り組み
- 30歳平均賃金
- 外国人管理職の有無
- 女性管理職比率
- 女性部長比率
- 女性役員比率
- ダイバーシティ推進の基本理念
- 多様な人材登用部署
- 多様な管理職登用(比率)の目標値
- 障害者雇用率(実績)
- 障害者雇用率の目標値
- 65歳までの雇用・定年後の就業機会
- 正社員の定年年齢
- LGBTへの対応
- 有給休暇取得率(最新年度)
- 産休期間
- 産休取得者
- 育児休業取得者
- 男性の育児休業取得者
- 男性の育児休業取得率
- 配偶者の出産休暇制度
- 介護休業取得者
- 看護休暇・介護休暇
- 退職した社員の再雇用制度
- ユニークな両立支援制度
- 勤務形態の柔軟化に関する諸制度
- テレワークの導入
- 副業・兼業
- ハラスメント防止
- 従業員のインセンティブを高めるための諸制度
- 労働安全衛生マネジメントシステム
- 労働安全衛生分野の表彰歴
- 労働災害度数率
- メンタルヘルス休職者数
- 人権尊重等の方針
- 人権尊重等の取り組み
- 中核的労働基準を尊重した経営
- 中核的労働基準4分野の対応状況
- 人権デューデリジェンスの取り組み
- 能力・評価結果の本人への公開
- 従業員の評価基準
- 1人当たり年間教育研修費用
- 従業員の満足度調査
- キャリア形成支援
- 新卒入社者の3年後定着度
- 発生した労働問題の開示
- 環境担当部署の有無
- 環境担当役員の有無
- 環境担当役員の担当職域
- 環境方針文書の有無
- 環境会計の有無
- 環境会計における費用と効果の把握状況
- 環境会計の主要項目開示(パフォーマンスの開示状況)
- 環境監査の実施状況
- ISO14001取得体制
- ISO14001取得率(国内・海外)
- グリーン購入体制
- 事務用品等のグリーン購入比率
- 原材料のグリーン調達
- 原材料調達の取引先対応
- 環境ラベリング
- 土壌・地下水の汚染状況把握
- 水問題の認識
- 環境関連法令違反の有無
- 環境問題を引き起こす事故・汚染の有無
- 環境分野・CO2排出量等削減への中期計画の有無
- スコープ3
- 炭素利益率(ROC)
- 温室効果ガス排出量削減
- 廃棄物等総排出量削減
- 2021年度の環境目標・実績
- 気候変動への対応の取り組み
- 気候変動に関するシナリオ分析
- 再生可能エネルギーの利用
- カーボンプライシングの認識
- 環境関連の表彰歴
- 環境ビジネスへの取り組み
- プラスチック削減の取り組み
- 生物多様性保全への取り組み
- 生物多様性保全プロジェクトへの支出額
- 中長期的な企業価値向上の基礎となる経営理念
- CSR活動のマテリアリティ設定
- ステークホルダー・エンゲージメント
- 活動報告の第三者の関与
- 英文での活動報告
- CSR担当部署の有無
- CSR担当役員の有無
- CSR担当役員の担当職域
- CSR方針の文書化の有無
- IR担当部署
- 法令順守関連部署
- 国内外のCSR関連基準への参加等
- 内部監査部門の有無
- 内部通報窓口(社内・社外)設置
- 内部通報者の権利保護に関する規定制定
- 内部通報件数
- 公正取引委員会からの排除措置命令等・他
- 不祥事などによる操業・営業停止
- コンプライアンスに関わる事件・事故での刑事告発
- 海外での価格カルテルによる摘発
- 海外での贈賄による摘発
- 汚職・贈収賄防止の方針
- 政治献金等の開示
- 内部統制の評価
- 相談役・顧問制度の状況についての開示
- 社外取締役による経営者評価
- 任意を含む指名・報酬委員会等の設置
- ESG等関連指標の役員報酬への反映
- 情報システムに関するセキュリティポリシーの有無
- 情報システムのセキュリティに関する内部監査の状況
- 情報システムのセキュリティに関する外部監査の状況
- プライバシー・ポリシーの有無
- リスクマネジメント・クライシスマネジメントの体制
- リスクマネジメント・クライシスマネジメントに関する基本方針
- リスクマネジメント・クライシスマネジメントに関する対応マニュアルの有無
- リスクマネジメント・クライシスマネジメント体制の責任者
- BCM構築
- BCP策定
- リスクマネジメント・クライシスマネジメントの取り組み状況
- 企業倫理方針の文書化・公開
- 倫理行動規定・規範・マニュアルの有無
- 消費者対応部署の有無
- 社会貢献担当部署の有無
- 商品・サービスの安全性・安全体制に関する部署の有無
- 社会貢献活動支出額
- NPO・NGO等との連携
- ESG情報の開示
- 投資家・ESG調査機関との対話
- 消費者からのクレーム等への対応マニュアルの有無
- 消費者からのクレームのデータベースの有無
- ISO9000Sの取得状況(国内・海外)
- ISO9000S以外(独自等)の品質管理体制
- 地域社会参加活動実績
- 教育・学術支援活動実績
- 文化・芸術・スポーツ活動実績
- 国際交流活動実績
- サステナブル調達の実施
- サステナブル調達への取り組み事例
- 取引先に対する基本方針
- 紛争鉱物の対応
- SDGsの目標への意識
- SDGsの目標達成基準
- SDGs17の目標対応状況
- 社会課題解決ビジネスの取り組み
- 海外での課題解決の活動等
- ボランティア休暇
- ボランティア休職・青年海外協力隊参加
- マッチング・ギフト
- ボランティア休暇等の社員への周知
- 社員向けの社会課題解決への関心を高める取り組み
- プロボノ支援
- CSR関連の表彰歴
- 自然災害・パンデミックへの支援
〔財務評価〕
【収益性】
- ROE(当期利益÷自己資本)
- ROA(営業利益÷総資産)
- 売上高営業利益率(営業利益÷売上高)
- 売上高当期利益率(当期利益÷売上高)
- 営業キャッシュフロー
- 流動比率(流動資産÷流動負債)
- D/Eレシオ(有利子負債÷自己資本)
- 固定比率(固定資産÷自己資本)
- 総資産利益剰余金比率(利益剰余金÷総資産)
- 利益剰余金
- 売上高
- EBITDA(税引き前利益+支払利息(キャッシュフロー計算書掲載)+減価償却費(同))
- 当期利益
- 総資産
- 有利子負債