東洋経済 CSR企業ランキング2017年(第11回)について
東洋経済新報社「財務・企業評価チーム」が作成。アドバイザーは明治大学大学院商学研究科の山本昌弘教授。本ランキングの採用データは、東洋経済が毎年行っている東洋経済「CSR調査」データと、東洋経済が保有する上場企業財務データ。東洋経済「CSR調査」は、今回第12回目の調査(2016年調査)として、2016年6月、全上場企業・主要未上場企業3671社を対象に調査票を送付。回答結果等を基に1408社(上場1364社、未上場44社)のCSRデータを取りまとめた。
この調査データを使い、「人材活用」「環境」「企業統治」「社会性」の4分野別の評価を行った。評価項目は基本的にアンケート調査による。一部を除き環境報告書、CSR報告書等による補足評価は原則行っていないが、アンケート調査の過程での取材等で入手したデータは加味している場合がある。またアンケート未回答でも公開情報のみで評価を行っている会社がある。
評価方法は原則として全項目加点方式で、ネガティブなデータを回答したことによって減点されることはない。逆に情報開示という観点から、一部の項目では数値の優劣にかかわらず、有効回答があったことに対し加点している。また、 評価の対象は原則2015年度までのデータによるため、直近における企業による事件・不祥事等は原則として評価に含まない。
財務評価は多変量解析の主成分分析手法を用い、「収益性」「安全性」「規模」の3分野で行った。対象会社は2016年9月1日時点に上場している一般事業会社。銀行、証券・商品先物、保険、その他金融、未上場を除く。決算期は2016年3月期までが対象。財務データは上場後の決算で直近3期平均(最低1期は必要)を使用。
CSR分野の「人材活用」(100点満点)、「環境」(同)、「企業統治」、「社会性」(「企業統治」と「社会性」の合計で100点満点)の4つ(計300点満点)に、「財務」(収益性、安全性、規模、各100点、計300点満点)を加え、総合ポイント600点満点でランキングを作成した。なお、「人材活用」、「環境」、「企業統治+社会性」の得点はトップ企業を100点に調整している。
総合ランキングの対象から銀行、証券・商品先物、保険、その他金融、未上場(一部例外)は除いている。ただし、上場企業の主要子会社は親会社の財務評価を使用し、財務情報の提供会社は特別に評価を作成している場合がある。
●評価項目
〔CSR評価〕(太字は今回、追加項目)
【人材活用】
- 女性社員比率
- 世代別女性従業員数
- 離職者状況
- 残業時間・残業手当
- 30歳平均賃金
- 外国人管理職の有無
- 女性管理職比率
- 女性部長職以上比率
- 女性役員の有無
- ダイバーシティ推進の基本理念
- ダイバーシティ尊重の経営方針
- 多様な人材登用部署
- 障害者雇用率(実績)
- 障害者雇用率の目標値
- 65歳までの雇用
- LGBTへの対応
- 有給休暇取得率
- 産休期間
- 産休取得者
- 育児休業取得者
- 男性の育児休業取得者
- 男性の育児休業取得率
- 配偶者の出産休暇制度
- 介護休業取得者
- 看護休暇・介護休暇
- 退職した社員の再雇用制度
- ユニークな両立支援制度
- 勤務形態の柔軟化に関する諸制度
- 従業員のインセンティブを高めるための諸制度
- 労働安全衛生マネジメントシステム
- 労働安全衛生分野の表彰歴
- 労働災害度数率
- メンタルヘルス休職者数
- 人権尊重等の方針
- 人権尊重等の取り組み
- 中核的労働基準を尊重した経営
- 中核的労働基準4分野の対応状況
- 従業員の評価基準の公開
- 能力・評価結果の本人への公開
- 従業員の満足度調査
- 新卒入社者の定着度
- 発生した労働問題の開示
- 環境担当部署の有無
- 環境担当役員の有無
- 同役員の担当職域
- 環境方針文書の有無
- 環境会計の有無
- 同会計における費用と効果の把握状況
- 同会計の公開
- パフォーマンスの開示状況
- 環境監査の実施状況
- ISO14001取得体制
- ISO14001取得率(国内)
- ISO14001取得率(海外)
- グリーン購入体制
- 事務用品等のグリーン購入比率
- 原材料のグリーン調達
- 環境ラベリング
- 土壌・地下水の汚染状況把握
- 水問題の認識
- 環境関連法令違反の有無
- 環境問題を引き起こす事故・汚染の有無
- CO2排出量等削減への中期計画の有無
- スコープ3
- 2015年度の環境目標・実績
- 気候変動への対応の取り組み
- 環境関連の表彰歴
- 環境ビジネスへの取り組み
- 生物多様性保全への取り組み
- 生物多様性保全プロジェクトへの支出額
- 中長期的な企業価値向上の基礎となる経営理念
- CSR活動のマテリアリティ設定
- ステークホルダー・エンゲージメント
- 活動報告の第三者の関与
- CSR担当部署の有無
- CSR担当役員の有無
- 同役員の担当職域
- CSR方針の文書化の有無
- IR担当部署
- 法令順守関連部署
- 国内外のCSR関連基準への参加等
- 内部監査部門の有無
- 内部通報・告発窓口(社内・社外)設置
- 内部通報・告発者の権利保護に関する規定制定
- 内部通報・告発件数の開示
- 公正取引委員会など関係官庁からの排除勧告
- 不祥事などによる操業・営業停止
- コンプライアンスに関わる事件・事故での刑事告発
- 海外での価格カルテルによる摘発
- 海外での贈賄による摘発
- 汚職・贈収賄防止の方針
- 政治献金等の開示
- 内部統制委員会の設置
- 内部統制の評価
- 情報システムに関するセキュリティポリシーの有無
- 情報システムのセキュリティに関する内部監査の状況
- 情報システムのセキュリティに関する外部監査の状況
- プライバシー・ポリシーの有無
- リスクマネジメント・クライシスマネジメントの体制
- リスクマネジメント・クライシスマネジメントに関する基本方針
- リスクマネジメント・クライシスマネジメントに関する対応マニュアルの有無
- リスクマネジメント・クライシスマネジメント体制の責任者
- BCM構築
- BCP策定
- リスクマネジメント・クライシスマネジメントの取り組み状況
- 企業倫理方針の文書化・公開
- 倫理行動規定・規範・マニュアルの有無
- 消費者対応部署の有無
- 社会貢献担当部署の有無
- 商品・サービスの安全性・安全体制に関する部署の有無
- 社会貢献活動支出額
- NPO・NGO等との連携
- ESG情報の開示
- 投資家・ESG機関との対話
- SRIインデックス・SRIファンド・エコファンド等への組み入れ状況
- 消費者からのクレーム等への対応マニュアルの有無
- 同クレームのデータベースの有無
- ISO9000Sの取得状況(国内)
- ISO9000Sの取得状況(海外)
- ISO9000S以外の品質管理体制
- 地域社会参加活動実績
- 教育・学術支援活動実績
- 文化・芸術・スポーツ活動実績
- 国際交流活動実績
- CSR調達への取り組み状況
- 紛争鉱物の対応
- ボランティア休暇
- ボランティア休職
- マッチング・ギフト
- SDGsの目標とターゲット
- CSVの取り組み
- BOPビジネスの取り組み
- 海外での課題解決の活動
- プロボノ支援
- CSR関連の表彰歴
- 東日本大震災等の復興支援
〔財務評価〕
【収益性】
- ROE(当期利益÷自己資本)
- ROA(営業利益÷総資産)
- 売上高営業利益率(営業利益÷売上高)
- 売上高当期利益率(当期利益÷売上高)
- 営業キャッシュフロー
- 流動比率(流動資産÷流動負債)
- D/Eレシオ(有利子負債÷自己資本)
- 固定比率(固定資産÷自己資本)
- 総資産利益剰余金比率(利益剰余金÷総資産)
- 利益剰余金
- 売上高
- EBITDA(税引き前利益+支払利息(キャッシュフロー計算書掲載)+減価償却費(同掲載))
- 当期利益
- 総資産
- 有利子負債